日本語のローマ字表記について

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原則

普段に目にする日本語のローマ字表記は,残念ながら,厳格に記法が統一されているとはいいがたい状態です。
この WEB サイトでは,原則として国際規格である ISO 3602 ("Documentation -- Romanization of Japanese (kana script)" / "Dokumento -- Latinigo de Japana Lingvo (kana literoj),要するに「訓令式」に従います。

しかし,現実の場面では異なった表記方式が混在して見受けれますので,適宜,他の方式も採用します。とくに路上や駅などでローマ字による案内表示がある場合には,その場での綴りに合わせるようにしています(これはたとえば外国人の方々がその場に行ったときの利便性のため)。ただし,すべての場所の表示を現場に行って確認しているわけではないので,多少違っているところがあるかも知れません。

ということで,この WEB サイト内で異なった綴り方が共存していますので,ご注意ください。

ISO 3602(訓令式) とその他の綴り方

ISO3602

その他

エスペラントで
近い発音

â

a / ā / aa

(longa) a

ê

e / ē / ee

(longa) e

î

i / ī / ii

(longa) i

ô

o / oh / ō / oo

(longa) o

û

u / ū / uu

(longa) u

si

shi

ŝi/si

zi

ji

ĵi/ĝi

ti

chi

ĉi

tu

tsu

cu

hu

fu

fu

sya, syu, syo

sha, shu, sho

ŝa, ŝu, ŝo

zya, zyu, zyo

ja, ju, jo

ĵa / ĝa,
ĵu / ĝu,
ĵo / ĝo 

tya, tyu, tyo

cha, chu, cho

ĉa, ĉu, ĉo

n (antaŭ b, p aŭ m)

m (antaŭ b, p aŭ m)

m

日本人は長母音/短母音を明確に区別しています。「長母音/短母音」という言い方が日本語文法上正しい用語かどうかはともかくとして,「大阪」と「尾坂」,「未納」と「美濃」は別の単語です。
ところが,英語では長母音/短母音という考え方がないことに影響されて(?)か,「ローマ字」で書くとき,長母音であることを明示しない(母音の長/短を区別しない)綴り方をよく目にします。しかしそれでは,「日本語の英語への転記」であって,英語国民にとってはそれで良いかもしれませんが,「日本語のラテン文字表記」ではありません。日本人が区別している発音をローマ字表記上区別しないようにしてしまうことは,RとLの音を日本人が区別できないのでともにラ行のカタカナで綴ってしまうこと同じ発想です。
とういことで,この WEB サイトでは,日本語をローマ字で表記する場合には,「英語綴り」ではなく,よりよく日本語を表わしていて国際規格にもなっている ISO 3602 (訓令式)に従っています。

参考

ローマ字相談室
ローマ字の各種方式について詳しい説明があります。
社団法人 日本ローマ字会
1885年創設の歴史あるローマ字団体です。


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